絵文字の現状

togetter.com
上記から全く関係のない話を。
ご存知のとおり、絵文字はShift-JISの外字領域にキャリアごとにそれぞれ実装されていた。なので「文字」ではあるのだが、なんせ独自仕様なので、厳密には文字とはちょっと言いがたく、絵若しくは画像みたいなものであった。そのため、PC用ブラウザでは表示できなかったり、様々な問題があった。恐らくここで無駄なシステム開発を実施していた人たちは一杯いたと思う。(その代わりそこには仕事があった。たとえどうでもいいことであっても、雇用がここで生まれていたのは間違いない事実である。)
Geisha Tokyo Engineer's Blog - 「これは絵文字ですか?」「はい、Unicode6.0です」

そこで出てきたのがGoogle大先生率いるUnicode6.0という黒船である。本来は日本のキャリアが先頭きって標準化対応すべきであったと思うのだが、調整つかなかったんだろうな。
とにもかくにも、これにより絵文字は文字になった。キャリア毎の互換とかはもう考えなくてよくなったのである。しかし当たり前だが、新規の絵文字追加はUnicodeコンソーシアムでの承認が必要になったのでむやみやたらとよくわからん文字は追加できなくなったのと、先ほど述べたような互換性を保つための仕事はなくなってしまった。
さて、6.0の次Ver、Unicode6.1ではあまり気づかれないが重要な変更があった。これが異体字セレクタである。通常異体字セレクタは漢字圏の異体字を表現するために使われる、と思われがちだが、絵文字についてもセレクタの変更で同じ文字であっても、絵文字の色を変更できるようになったのである。c4se.hatenablog.com
当初6.1の段階では、カラーとモノクロ程度であったが、この方針を応用して、スキンカラーの問題までも強引に解決しようとしているように見える。実際そうなのであろう。internet.watch.impress.co.jp
UTR#51では、最終的には画像の差し替えでカラー変更は行うべき、つまり透過画像で実装すべき、となっているが、もはやすっかり日本のキャリアは蚊帳の外でAppleGoogleが決める世界になりつつある。つまりここでも携帯とスマホの関係と似たようなものが確認できる。www.itmedia.co.jp
結局、この手の絵文字に真っ先に対応するのがiPhone(というかiOS)で、そのたびに各端末で表示できない問題が出てくる。つまり絵文字を作ったはずの日本のキャリアが絵文字でApple(とGoogle)に振り回されているのだ。いいジョークだね。