最期の暗殺者の夜

https://www.lesrallizesdenudes-official.com
まさかまさかの裸のラリーズOfficial Site
しかも水谷孝 1948 - 2019の文字。

web.archive.org
ラリーズのサイトといえばUnofficialといいつつ、確か公式に認定もらってたこのサイトのイメージだし、このサイト90年代からあったはずだが、こんな機会でもないと二度という機会もないので、ラリーズに絡めた自分語りをしようと思う。

ラリーズの名前を知ったのは、90年代中盤だったと思うのだが、勿論当時は音源が聴けるわけもなく一体どんな音楽なんだろうと思っていた。
Studio Voiceラリーズ特集があったが、当時すでにOfficialのCDは全て廃盤で普通にはどうやっても聴くことが出来ないのである。
いや今にして思えばなんで当時この特集をやったんだろう。

それがたまたま聴いたのが90年代末の札幌の狸小路である。
狸小路の奥にあるバーというか居酒屋に友人に連れられていったのだが、そこで全く聴いたことのない音楽を聴いて衝撃を受け、一体これはなんですか?と店長に聞いたところそれが'77 Liveの正規盤であった。というわけで初聴がブートではなく正規版という当時では非常に珍しいタイプではあった。
Les Rallizes Dénudés* - '77 Live | リリース | Discogs
なんでそんなのあるんですか、と当然疑問に思って聞いたところ、その居酒屋に集まる人というか店長の友人界隈の中にOverhang Partyの福岡さんがおり、その関係で持っていたと聞いた。その店にはそれから何度か行き、普通の時間には流石にいいにくかったが、明け方あたりの人の少ない時間になるとよくラリーズのリクエストをしていた。なんせその店でしか聴けないので、何度もリクエストしているうちに顔を覚えられてしまったみたいだった。あまりにしつこいのか、哀れに思ったのかどうか忘れてしまったがその店でラリーズのライブをテープにダビングしてもらいそれを愛聴していたのだが、そのテープも引っ越しを繰り返す内どこに行ったかわからなくなった。
この話はそこでは終わらず、その15年後くらいに下北沢近くの池の上のライブハウスにまた違う友人に連れられていった。
そこではどこかで見たような人がおり、誰かと思えばOverhang Partyの福岡さんに見える人であった。そのライブそのものは...まあさておき、ライブ終わった後に歓談する機会があったので、思い切って福岡さんと思しき人に聞いてみた。
福岡さんですよね?
昔札幌の狸小路の居酒屋によくいませんでした?
その時お話ししたこともあるんですけど、っていうかその際にラリーズ知って衝撃を受けて今に至るんですけど。
という感じである。
本当にその通りで、私の記憶は間違っていなかった。(私のことは覚えてはいないようだったが、その店のことは覚えていた。)
あの店はどうなったんですか?と聞くと、もう数年前に閉店したとのこと。
水谷さんは何やってるのかよくわからないという話だった。

とてもとても懐かしくなり、その友人にもラリーズのことを色々酔っ払いながら力説した記憶もあるのだが、すっかり何を話したのかは忘れてしまった。
そして、その友人は数年前に喘息を拗らせて亡くなった。
狸小路の居酒屋に連れていってもらった友人ももう何十年もあっておらず、生きてるか死んでるかもわからない。

ラリーズといえば、水谷孝が生きているという話がある頃から死のイメージがあった。
90年代の頃から既に伝説でそもそも実在する人物なのかどうかも疑わしいくらいだった。

この辺のことをざーっと思い出してしまったので、この話を覚えているうちに書いてしまおうと思ったのであった。
セリーヌのなしくずしの死は途中で読むのを諦めてもう何年も書庫に眠ったままである。