猫と京浜工業地帯

工業地帯には猫が良く似合う。特に若干寂れた工業地帯には。
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いつものように脈絡もなく、南武線経由で浜川崎に向かう。南武線経由ということは支線経由である。ほとんどの人が知らないだろうが、南武線には支線があり、尻手から鶴見線に繋がるルートがあるのである。
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尻手から1時間に1,2本出る全く東京近郊とは思えないような2両編成に載って、浜川崎駅へと向かうわけである。
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で、浜川崎とは?
川崎でもなく、どう考えても、工業地帯ど真ん中であるがゆえに、何故か寂れた感覚の味わえる謎の地域である。臨海工業地帯なので、当然だが貨物線が一杯である。むしろ旅客線よりも貨物線の方がメインであると言えよう。この見える線路は全部貨物線である。
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線路と黒猫
そこで、貨物線ということもあり、殆ど列車が通らないので、猫が線路の上でじゃれあっている図も見かける。これが山手線ならば、もうとっくの昔に轢かれてしまっているであろう。鶴見線ならではである。
さて、急に南武支線から鶴見線に移った。浜川崎駅には出入り口が二つあり、というか普通の感覚であるならば別の駅のような気がしてならないが、それぞれ別の出入り口なのである。
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この二つの駅は道路!を挟んで50mくらい離れて別の改札、と言っても無人改札だが、になっており、私鉄同士の乗り継ぎ見たいなものである。全くもって同じ駅とは言えない感じであるのだが、一つ注意点があり、これ乗り継ぎするのであれば、無人改札には通しては行けないのであるらしい。それを知らなくて、毎回改札を通してしまい、逆に面倒臭いことになった。
まず、扇町へと向かう。
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扇町と言われても、なのだろうけど、鶴見線の終点である。
終点には当然のように工場以外何もない。私のような暇人以外の普通の人も殆ど歩いていない。休日なので当然ではあるが。
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とはいえ、24時間稼働のものも多いわけであり、これは確か、発電所だったと思う。
扇町周辺にも猫は多く、散歩者が時折立ち寄って餌付けしているのであろう。結構困っているらしい。
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猫多め
扇町周辺を堪能、とまではいかないが、実際問題首都圏の電車とは思えないくらい本数が少ないのと、本当に何もすることがないため、鶴見まで戻ることにする。
ekikara.jp
鶴見まで戻っている途中では、工場労働者の人たちが割と乗ってくる。日本人は少なめで、半分以上は、外国の人であろう。この辺にも移民の問題はあるのだなあ、とかうっすら感じる。今回鶴見線の支線には乗らなかったのであるが、どこが乗り換え駅なのかアナウンスもないし、全くわからないまま過ぎ去ってしまったので、ふらっと立ち寄った人は基本的に相手にしていない路線なのだろう。工場への行き帰りのためだけに存在する路線なのでまあそりゃそうか。旅客営業をやっていること自体不思議な路線だしなあ。
鶴見まで戻るかと思いつつ、途中の国道駅で降りる。国道1号に近いから国道駅というのもなんとも安易な名前の付け方だが、実際鶴見線の駅名は物凄く安易に付けられている。

駅名について

鶴見臨港鉄道の開業当時、この路線は埋立地上にあり、沿線には地名が存在しなかった。このため、鶴見線の駅の多くに実業家や土地所有者から取られた名前が付けられている。鶴見小野は地元大地主の小野信行、浅野は浅野財閥創設者で鶴見臨港鉄道の設立者でもある浅野総一郎、安善は安田財閥安田善次郎、武蔵白石は日本鋼管(後のJFEスチール)の白石元治郎、大川は製紙王の大川平三郎から取ったものである。扇町も浅野家の家紋が扇であったことに由来する。その他の駅でも、国道1号(後の国道15号)が近くを走るから「国道」、近隣の池に架けられた橋から「弁天橋」、昭和肥料(後の昭和電工扇町工場の近くにあったことから「昭和」、石油精製所の近くにあったことから「石油(後の浜安善)」、芝浦製作所(後の東芝)の工場に隣接するから「新芝浦」「海芝浦」、鶴見工業実習学校の近くにあったことから「工業学校前(後の鶴見小野)」、曹洞宗大本山である総持寺の近くにあったことから「本山(廃駅)」など、周辺の工場などの施設に由来する命名が多い。

鶴見線 - Wikipedia
新興の埋立地らしい感じであるが、新地とか海岸とか、そういう地名すらない場所ってのは土地の記憶がない場所だよなあ。川崎とか横浜にはたまーに広大な埋立地があるけど、あれも不思議な感じだよね。
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さて、話を戻すと、国道駅を降りると、有名なガード下がある。これ知ってはいたんだけど、よくみると、奥の方は普通の人家なのな。てっきり有楽町のガード下みたいな呑み屋だとばかり思ってたんだが、ポストも表札もあるし、これ普通の人家だ。流石に写真撮るのはためらわれたので、撮ってないけど。
場末感だけは凄い。新築で煌びやかなときもあったと思うんだけど、全く想像できない。
www.arinoki.com
国道駅周辺を堪能した後、歩いて鶴見まで旧東海道を歩き、この日は終わり。